日本建築学会論文報告集
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情報環境に関する研究 : 第 2 報サインの視探索時間と物理的要素
荒木 正彦福島 駿介杉本 忠雄
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1982 年 313 巻 p. 67-76

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抄録
背景の空間的要素を変えた標本を用い, 実験より求めたサインの視探索時間を比較検討した結果, サインの視探索時間は主にサインを構成する物理的要素に影響されることを明らかにした。ついで, 各物理的要素に経験的な誘目性に関する仮定をたて定量化し, 各サインのこの値と視探索時間との間に相関分析を行った結果, 文字のサイズ, 文字の傾き, 視線からの位置, サイン間の位置関係などがサインの視探索時間を効果的に説明する要素であることを知り, この誘目性に関する仮定の妥当性を明らかにするととも, サインの視探索時間算定式を提案している。更に, 注視順序とサインの視探索時間理論値との間の相関分析を行うことにより, 視探索過程における誘目性に関する仮定の妥当性について明らかにしている。また, サインの弁別の難易について分析するため, この実験におけるサインの注視持続時間と他の視探索課題とその値とを比較検討した結果, この実験でターゲットとなったサインは弁別の容易な視探索課題であることが知れた。
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© 1982 一般社団法人日本建築学会
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