以上, 1929〜1977年の年最大風速に基づいて, 日本各地の気象官署における50年再現期待値を算出した。更に気象官署の分布密度を考慮して地理的位置および大規模地形の影響のみを反映した基準風速の2m/sピッチ等風速線図および5m/sピッチ等風速領域図を, できる限り客観的かつ再現性のある方法で作成した。また, その作成手順を明確に示すことによって問題点の抽出を容易にした。これによって, 従来あまり議論されなかった問題点や構造物の設計風速を得るための風観測の方法等を見直す上での一助となれば幸いである。本研究は日本建築学会の風荷重小委員会(主査・室田達郎)のワーキンググループ1(主査・田村幸雄)の活動の一環として行われたものである。貴重な御意見をいただいた同委員会の委員各位, 年最大風速値の収集に御協力いただいた京都大学防災研究所・光田寧教授ならびに労動省産業安全研究所・木下鈞一氏に深謝の意を表します。