日本建築学会論文報告集
Online ISSN : 2433-0027
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材料表面の湿度境界層に関する実験的研究
稲葉 一八大澤 徹夫宮野 秋彦
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1984 年 336 巻 p. 77-83

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抄録
湿気伝達特性に関する基礎的資料を求めるため系統的な実験により材料表面付近の水蒸気圧分布等を中心に測定, 検討し次の結論を得た。(1)材料表面近傍における水蒸気圧低下率曲線は, 無風時の場合, 湿流方向によって異なり, 下向湿流時の曲線こう配が最も緩やかで次いで水平湿流, 上向湿流の順となるが, 水平と上向湿流の曲線には殆ど違いは見られない。(2)湿気流量と水蒸気圧こう配は, 湿流方向および基準風速に関係なく, 略比例関係にある。(3)材料表面近傍の水蒸気圧分布曲線を延長して得られる材料表面との交点は, 材料表面の水蒸気圧にごく近い値を示す。(4)湿度境界層厚は, 表面付近の風速の増大に伴って減少するが, 0.5m/sまでの範囲における変化が大きく, それ以上では極めてわずかとなる。
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© 1984 一般社団法人日本建築学会
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