日本建築学会論文報告集
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19 墓廟と宝形造り
井上 充夫
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1959 年 61 巻 p. 127-133

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抄録
わが国における墓廟的性格の建築には、墓堂・御影堂・法華堂など、各種の名称をもつものがあつたが、それらには宝形造りのものが比較的多かつたことが、遺構その他から推察される。これらの各種の代表例について、その建築目的・形式・用い方などを吟味すると、これらの建築は一般に、墓そのものと同じく礼拝の対象となり、かつその内部は物故者のための占有空間の性格をもらていたことがわかる。そしてそれらの多くが宝形造りの形式をとつたのは、塔婆の場合と同じく、対称性の強い形態が人格の表現に適したからであることを論ずる。
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© 1959 一般社団法人日本建築学会
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