抄録
日除けのある窓面から室内への日射透入熱量に関する冷房負荷算定資料としてはA.S.H.A.C. Guideの遮蔽率があるが,これに関する熱的な問題を定量的に扱つた研究は少いようである。ヴェネシャンブラインドに就てのG.V. Parmelee氏の一連の研究は反射が考慮されている点で優れたものであると云えよう。本論では主として外部に設ける比較的大規模な日除けを取扱い、日射を受けたルーバー内部の温度分布に非定常熱伝導理論を応用し、ルーバーとガラスとの組合わせから成る一つの熱的系の中での相互放射及び反射の影響を加味した室内への透入熱量を求める解式に関して考察したのである。即ち、調和分析の形式による一般解と階差方程式による数値解とを試み、その計算例を示した。