1959 年 63.2 巻 p. 501-504
1.1目的 この研究は都市の火災危険診断法のいわゆる菱田方式が単なる理実用値としても信憑性の高いものであることを実証することを目的とした。ただし天気予報と同じく、わが国に今後発生するであろう大火が、何時の場合でも、ここにとりあげた実例のように、合致するものとは限らない。何故なれば、出火の位置とその時の各種複雑なる条件などが予想したように作用しないからである。1.2方法 この研究のためのデーターとしてとりあげた実例は、算定会が火災保険の料率を合理化するために調査計算した魚津市の火災危険度算定の結果とその後同市に発生した大火の実態調査とである。この大火による罹災区域における、罹災前の火災危険度算定のなかから各項目における、都市大火災危険の要因または潜在性を剔出するため、両者を比較検討することにした。