日本建築学会論文報告集
Online ISSN : 2433-0027
Print ISSN : 0387-1185
ISSN-L : 0387-1185
2022 長方形ラーメンの温度応力について : 基礎が摩擦抵抗を受けつつ水平移動する場合-2(構造)
小幡 守
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 76 巻 p. 68-

詳細
抄録

長方形ラーメンの基礎が摩擦抵抗を受けつつ水平移動する場合の温度応力計算式およびこの計算式を用いて求めた1層10スパン均等ラーメンの屋根梁と基礎梁が直線的に増減する温度変化を受けたときの応力については既に報告した本報告は上記の論文の計算式を用いて求めた上記論文中のラーメンと同一のラーメンが次の様な温度変化を受けたときの計算結果の報告である。a)屋根梁と基礎梁は、同一の温度変化を受け、かつ温度変化は最大温度差が40℃の正(余)弦函数形の変化をする場合。b)屋根梁は、ある基準値を中心として、±5℃または±10℃の振巾を持つた正弦函数形の温度変化を受け、基礎梁は屋根梁温度が1周期変動する間に0.2℃直線的に変化する場合。上記のa)b)の値は、大野和男博士が北海道島松において実測した結果に基いて採用した値であつて、a)の計算は1年を1周期とする温度変化の影響を検討することを目的とし、またb)の計算は、日間温度変化の影響を検討することを目的としたものであり、1周期を1日とすれば、基礎梁の1日の温度変化量0.2℃は、半年間の温度変化量が約40℃の場合に相当する。a)b)いずれについても、柱脚半固定と仮定した計算を同時に行なつて、基礎移動時と柱脚半固定時との応力を比較し、またa)については、坂静雄博士の材の匍匐を考慮した全変形と弾性変形間の近似計算式を用いて応力を求め、弾性計算値との比較を行なつた。計算に際して設けた仮定は前掲の論文に同じである。

著者関連情報
© 1962 一般社団法人日本建築学会
前の記事 次の記事
feedback
Top