抄録
1962年9月、清水建設研究所力学研究部は、増田製粉株式会社の協力に依り、鉄筋コンクリート造小麦貯蔵サイロの投入、抽出時に於ける内圧実測を行う機会を得た。それ故ここに表記研究の第一部として、測定結果のみを報告する。サイロ内圧力に関する研究は古くから行われているが、未だに1895年来のJanssenの学説を超えるものはなく、今日のサイロ設計をもっぱらJanssen式に依っている。しかしながら近来、サイロ規模も大型化し、投入抽出速度も速くなった事等から、これら内容物の動きによる圧力変動、特に抽出時の変動圧力をサイロ設計に当って、充分考慮すべき段階に達している事を、本実測によって確認したもので、本実験データーは今后のサイロ設計に重要な示唆を与えるものと考える。