抄録
コンピュータネットワーク上で作物の生育データを共有することの可能性について,検討を行った.作物生育データの共有は,農業者向けアプリケーション不足の解消に寄与し,農業・農村情報化に貢献する.作物生育データの共有が実現するための条件として,複数の農業者が特定の目的のもとに連携する場面を想定した.ネットワーク上でどのようなシステムが実現できるかについては,大豆の生育データをサンプルとするシステムを試作し,検証を行った.試作したシステムでは協調型エージェントのアーキテクチャを採用した.また,データベース間での語彙や概念に関する異種性を解決する手段として,データベースから独立させた概念体系を用いた.概念体系を部品化したことにより,農業者が目的に応じて連携するグループを組み替える場合でも柔軟に対応できる.