農業情報研究
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原著論文
受精卵クローン牛由来生産物の社会的受容に対する消費者の知識と態度の影響
合崎 英男佐藤 和夫岩本 博幸
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2004 年 13 巻 2 号 p. 139-153

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抄録
本研究の目的は,受精卵クローン牛由来生産物の社会的受容に対する消費者の知識と態度の影響を分析することである.北海道札幌市清田区の居住者171名から得たデータを利用して,潜在変数である知識と態度との関連を構造方程式モデリング,態度と牛肉の評価との関連を仮想順位付け法により分析した結果,次のことが明らかとなった.1) 受精卵クローン技術に対する態度である「安全性不安」,「倫理的評価」,「直接的利益」が受精卵クローン牛由来生産物の評価に影響を与えることが明らかとなった.2) しかし,技術に関する知識は態度の形成にはほとんど寄与していないことが示された.3) 以上から,技術的知識のみを提供するだけでは受精卵クローン牛由来生産物の社会的受容を向上させることは困難なことが示唆された.
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© 2004 農業情報学会
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