2009 年 18 巻 2 号 p. 98-109
近年,GoogleマップやGoogle Earthの登場により,Web地図サービスの機能と利便性が著しく向上している.既存のデータには地点と結びつけられるものも多いため,マッシュアップと呼ばれる地図とデータを結びつけることによる相乗効果により,データの価値を向上させるWebアプリケーションが短期間に多数出現した.農業モデルにおいても地点と関連づけられたデータを扱うことが多く,ユーザによる地点選択操作や,データ表示のためのインタフェースとして地図が多用されている.筆者らはWeb上で実行可能な農業モデルを開発して公開しており,Googleマップ以前からChizuBrokerを利用した地図インタフェースを備えていた.しかし,ChizuBrokerの維持及び機能向上には人的コストがかかるため,Googleマップを利用した地図インタフェースの再実装を行い,実装と機能面においてChizuBrokerとGoogleマップの比較を行った.また,地図上で時系列データを表示したり,データの重ね合わせに利用したりするなど,GoogleマップやGoogle Earthの農業モデルやデータを統合するモデルベースの構成要素としての利用法を提示した.