農業情報研究
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原著論文
広範な地域における一般化線形モデル・一般化線形混合モデルとGISを用いたアライグマ(Procyon lotor)の個体数の推定
金井 猛徳岡山 毅小山 修平
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2010 年 19 巻 2 号 p. 43-51

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抄録
外来生物をはじめとする野生動物の管理計画を実施する場合,広範な地域における個体数を把握し将来的な目標を掲げながら対策を実施していくことが重要である.そこで本稿では,有害鳥獣捕獲による捕獲数,土地利用データおよび衛星データを用いてGISと一般化線形モデル(モデル1)および一般化線形混合モデル(モデル2)を組み合わせることにより大阪府域におけるアライグマの個体数を推定した.その結果,2つのモデルともに同様の説明変数がステップワイズ法によって選択され,大阪府域におけるアライグマの個体数分布図を掲示することができた.また,大阪府和泉市内において外来生物法に基づく防除の確認の申請によって捕獲されたアライグマ(検証データ)と推定したモデルを比較した結果,推定結果と検証データに相関が高いことが分かった(モデル1:r = 0.898,モデル2:r = 0.898).ここで構築したモデルとGISを用いて大阪府域におけるアライグマの個体数を推定した結果,モデル1が2,836頭(95%信頼区間:2,350頭~3,418頭),モデル2が2,836頭(95%信頼区間:2,289頭~3,515頭)と推定された.
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© 2010 農業情報学会
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