農業情報研究
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原著論文
オープンソースハードウェアを利用した環境計測ノードの構築
安場 健一郎星 岳彦金子 壮東出 忠桐大森 弘美中野 明正
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2013 年 22 巻 4 号 p. 247-255

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抄録
ユビキタス環境制御システム(UECS)の通信実用規約1.00-E10(実用規約)に対応した環境計測ノードを開発し,ノードの開発環境を構築した.ノードのハードウェアはArduino Ethernetとそれに接続する新たに開発した計測用基板,センサで構成した.センサとしては,温度湿度センサ,CO2センサ,光合成有効光量子束密度(PPFD)センサの代用としての太陽電池を接続可能とした.ハードウェアを環境計測ノードとして動作させるために,Arduino Ethernetに転送するプログラムを作成するノード作成ソフトウェアを開発した.ノード作成ソフトウェアを利用することで,ネットワークやUECS独自の設定,センサ種類などを含めたノードの構築が容易となった.開発した環境計測ノードを太陽光利用型植物工場に設置したLANに接続した.各センサによる計測情報が実用規約に則ったデータ送信通信文として入手可能であり,UECSのノードとして正常に動作した.代替のセンサを利用したPPFDを除く,温度,湿度,CO2の推定の最大誤差はそれぞれ1.17°C,4.14%,49μmol mol–1であり,実栽培に使用できる程度の精度での測定が可能であった.公開された実用規約に則り,ハードウェア・ソフトウェアとも開示されているため,ノードの構築に関するすべての情報が提供された環境計測ノードとして利用可能となった.
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© 2013 農業情報学会
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