2018年から南九州において,サツマイモの株が立ち枯れ,塊根が腐敗するサツマイモ基腐病が多発し,収量の減少が深刻な問題となっている.基腐病は日本では初めて発生が報告された病害であるため,海外での対応事例も参考にしながら,現在,基腐病の防除のために抵抗性品種の導入,圃場排水の実施,農薬散布等の対策が実施されている.これらの防除対策は,発病を低減する一定の効果が示されている.しかし,被害が甚大な地区においては,これらの対策技術を単一に実施しただけでは,被害の低減が難しい現状が報告されている.そこで,本研究では南九州の基腐病の被害が甚大な地区における36圃場を対象に発病状況と生産者による防除対策の実施状況に関する現地調査を行い,収集したデータを用いて防除対策の組み合わせの効果を検討できるネットワーク解析を行った.その結果,収穫後の腐敗イモの残渣処理や輪作により土壌残渣リスクを低減させ,降雨による湛水を低減するための排水対策を実施し,抵抗性品種を導入した圃場では被害が低減されていたことが分かった.このことから,本地区では,これらを組み合わせた対策を優先的に実施すべきであると考えられた.