種子島におけるサトウキビ経営では規模拡大が進み,大規模経営が生まれている.こうした経営が成立した背景には,2000年以降に機械化が進展し,サトウキビ生産の省力化を進めるとともに,株出し生産性の高い新品種の導入を進めてきたことがある.こうした大規模経営の経営的評価を行うため,機械化一貫体系の経営モデルを作成した.その特徴は,1年を単位としたプロセスを設計することにより,作付体系の年数をモデル上で処理して,株出し回数の増加を考慮できることにある.モデル分析の結果,多収品種が所得改善に貢献することを明らかにした.また省力的な植付けが実施可能なビレットプランタが導入されるには,経営規模が30 ha以上で,労働力が充実した経営であること,またその効果は春作業の競合回避にあることを明らかにした.