日本では主要な野菜の周年供給体制が確立され,加工・業務用需要が拡大している.安定供給の需要が高まる中,露地条件で栽培されるキャベツにおいて,生育モデルを用いた生育予測は生育状況の把握・予測に有用である.本研究では,結球開始期からの生育を扱った既存の生育モデルを改良し,定植以降の生育度合いを示す要素として投影面積をモデル要素に追加するとともに,収穫部位への乾物分配率の変化時期を用いて結球の開始期を予測可能な改良モデルを開発した.既存モデルが扱っていなかった春と秋の二作型を対象とし,気象変化を考慮すべき状態変数に対しては個別にパラメーター推定を行った.シミュレーションの結果,投影面積,葉球の乾物重・新鮮重をそれぞれRMSE=123.1(cm2),16.7(g),240.8(g),平均絶対誤差率(%)=39.2,14.9,8.1の誤差で予測した.特に葉球部新鮮重の予測誤差は許容範囲とされる10–20%程度に収まっており,実用上十分な精度を示した.また,収穫部位への乾物分配率や生育段階に応じた日射利用効率の設定により,結球開始時期や生育初期の詳細な予測が可能となった.