抄録
本稿は,国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科3期にわたる日本語教育実習から,学習意欲を高めつつ学習者の発話を引き出すために,いかに学習者が主体的に授業活動に参加できるかを考察したものである。冬実習を分析し検証した結果,学習者の知的好奇心を刺激しながら,学習者の主体的かつ積極的な学びの姿勢を生かす活動のデザインが必要であることが判明した。また,学習者の学びのプロセスの認知を促すことも主体性を高めるために重要であることが分かった。学習者が主体的学習を促進するアクティブ・ラーニングを授業へ取り入れる方法や,教師の役割についての考察を行い,その結果に基づいて改善案を作成した。本稿の検証を通し,学習者の主体性を促すための授業構成や教師ができるサポートについて新たな課題を発見することができた。