抄録
本稿は、教育実習で実施した映像教材付きのシャドーイング練習について考察したアクションリサーチである。筆者は非母語話者教師であるため、学習者への音声指導には限界があると感じる。そこで、学習者に豊富な日本語のインプットを与えるため、ネイティブの音声を授業に取り入れようと考えた。取り入れ方に関しては、筆者が英語教育で経験し、効果があったシャドーイング練習を採用した。また、ニーズ調査によると、学習者の多くがアニメや漫画に興味を持っていることがわかり、映像教材を使って学習者の学習意欲を高めたいと考えた。そのため、シャドーイングのメリットと映像教材のメリットを組み合わせ、映像教材付きのシャドーイングを考案した。本稿では、台湾での教育実習で初級学習者に実施した2週間の映像教材付きのシャドーイング練習の授業を振り返り、学習効果のあるシャドーイング用映像教材の開発における気付きや問題点を探り、改善策を提案する。