抄録
本稿は,日本語教育実習で担当した授業でのタスク活動における教師のアプローチを検証したアクションリサーチである。本稿で扱うタスク活動は,学習者による発表に特化したものであるため,本稿における効果的なタスク活動を「学習者にとって話しやすい,学習者レベルや興味・関心に沿ったもの」と捉え分析していく。検証は,項目を授業計画段階と実践段階の2つに分類し,学習者の反応をもとに検証した。結果として,タスク活動の難易度調整やアップテイクにつながるフィードバックなどが安定しない結果となった。例えば,フィードバックに関しては,リキャストの傾向が強すぎるあまり,言い直しまで徹底できないなど,筆者の教師としての改善すべき点が明らかになった。これら問題点の分析に基づき,具体的な改善策を提案する。