抄録
本稿は,学習者の発話を引き出すことを目的とした教師の質問について研究を行ったアクションリサーチである。筆者は秋,冬,春の3期にわたる実習を通して学習者の発話を引き出す質問が行えず,インターアクションを広げられていないという問題意識を持った。そこで,筆者の質問とそれに対する学習者の発話,どのようなインターアクションになっていたのかをIRF構造,IRE連鎖を用いて分析を行った。そこから,発話を引き出せていないケースを集め,筆者の質問のどのような点が要因となり学習者の発話が引き出せていないのかを分析した。要因としては授業テーマが筆者にとって身近ではなかったり,学習者の発話内容を十分に理解できず,適切な質問ができなかったことが挙げられた。それらを基に,筆者の行った質問の改善案を探った。最後に,本研究と筆者のビリーフとの関係について述べる。