抄録
本稿は,教育実習を通して課題となった訂正フィードバックについて論述する。秋実習と冬実習の反省から,春実習は,インターアクションを行いながら誤用の訂正が可能な暗示的フィードバックを効果的に行うことを目標とした。その結果,コミュニケーションの流れを中断せずに学習者とインターアクションを実現することができた。その一方で,筆者の訂正に学習者が気付かない,または気付いても正用を認識していない例などがみられた。改善案として,声のトーンを変えたり,明示的フィードバックを使用したりすることで,より効果的な訂正フィードバックが与えられると考えた。また,リキャスト以外にも,誤用の部分を教師が繰り返すことで誤りに気付かせる方法や,学習者の誤用をプリントにまとめたクラスフィードバックも有効であることが分かった。