日本地理学会発表要旨集
2005年度日本地理学会春季学術大会
会議情報

地方自治体における災害対策の課題
防災マップを指標として
*井ノ元 宣嗣
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 139

詳細
抄録
1995年の阪神・淡路大震災は、阪神間を中心とする地域の人命・財産に多大なる被害をもたらすと同時に、日本における災害対策のあり方を大きく変化させる契機となった。それは理念として「防災」から「減災」への変化である。減災概念における災害対策の代表例として挙げられるのが防災マップである。「防災マップ」とは、1988年から国土庁(現・国土交通省)が災害に対して脆弱な国土条件にあるわが国において、住民の生命・身体・財産等を災害から守るため、「防災マップ作成モデル事業」を通じて、国土と災害に対する正しい情報の周知に努めてきた際に呼ばれた名称である。そして今日、多くの自治体等でこの防災マップなるものが作成され、住民へ公開されている。しかしながら、それらの内容が実際の災害発生時に備えるものとして考えるとまだ不十分であると、演者は考えている。そこで、本報告は現在公開されている防災マップの内容に関する評価と、防災マップを通じてみた地方自治体における災害対策の課題とそれを規定する要因を明らかにすることを目的とする。
著者関連情報
© 2005 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top