日本地理学会発表要旨集
2006年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 318
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微化石分析、高等学校「地理B」への導入へのアプローチ
*逸見 優一
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抄録
1 はじめに 報告者は、2006年春季大会では実際の授業実践では、高校「地理A・B」では、高校の実際の場で使用される教科書づくりがなされたものでは、どの教科書を見ても、「地域調査」の項目がほとんどの事例では、各社工夫をこらした成果例がしてしめされている。こう述べた。現在、高校では、実際に、授業では、教科書にしたがって、年間計画・シラバスを作製し、授業がなされている。地域調査にあっても、各「地理A・B」の教科書に配列された、地域調査事例を、地形図の読図をおこなってゆくなどの様々な段取りにしたがって編集された学習事例の授業展開をおこなって、多くの学習事例がすまされている。実践例では、修学旅行や、夏の課題として地域調査が作文やレポートを提出するといった段階で終わることが多い。何度もこうした報告を、報告者も報告したことが多かった。高校関係の報告でも多くの場合には、こうしちゃ域をでないものがあまりにも多いと、いつも報告を受けることが多かった。

2 昨今の地域調査の変転 1990年代あたりから、高校はホームステイや海外修学旅行が増えていった。「地理A・B」の地域調査の授業報告でも、新鮮な海外調査の具体的な報告図事例が増え印象的であった。2000年に入ったあたりから、国際情勢の変化により修学旅行、ホームステイが後退してゆき、再び国内が対象となる、学校行事が増えていった。おりしも、地球の温暖化論も、急展開されていくことになってゆく。だが、地域調査は、授業で年間計画に基づいて実施されることは、諸々の事情により困難であることが多い、と述べることは続いてきた。

3 生活の場を活かした科学的な地域調査的学習は可能。現在は、子どもの生活を脅かす危機の状況があまりにも多く発生している。現在ほど、子どもの生活の場を活かした地域調査が力を発揮する時代はないといえよう。今こそ、地理的見方・考え方を活き活きと学習者である子どもが、みずから生活力を高め主体的に学び取り活きる学力を強くして育み力を獲得してゆける時代はないだろう、と考えられるのである。現行の高校「地理A」・「地理B」の授業設計の中にも、この課題は最も重要視されて、取り入れられるべきものと春の大会でも報告者は述べた。

4 現行「学習指導要領」に位置づけられている可能性。学習者が生活している絶えず激変する現実生活を、学習者がどう把握・認識し、イメージ化力・モデル化力を展開できるのか。頻出する最新の時代的課題を試行錯誤する中で、子どもはみずから生活場を活きられる場として展望する過程を、どうねづかせえるのか試行錯誤を行っている力はいつもみられているといわれる。この課題が教科書段階での学習から一歩で、様々なプランが子どもみずから練ることで、工夫されたものをつくる力と考えられているものであるといえよう。

5 今を活きる生活場からの試行錯誤の歩みだし 本発表ではさしせまったった課題としての生活場でいきてゆくための地球的課題のみつけかたを考えた。身近な生活のすぐそばをみてゆくことの意味を見つめてゆくことを再確認した。過去と対話し科学的な把握・認識を学習者が主体的に学び取り展望する教材化を微化石分析の事例で生活場を活き活き語ることを主張してきた。地方の日常生活場にある水田を足がかりに過去と対話し稲作起源を例として語りたい。
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© 2006 公益社団法人 日本地理学会
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