日本地理学会発表要旨集
2007年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 420
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飛騨神岡における笈破霧とみやざき雲という名の局地気象の観測
*中田 裕一
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抄録

 岐阜県の飛騨神岡地方では、笈破霧(おいわれぎり)とみやざき雲という名の局地気象が知られる。気温の現地観測データとアメダスデータから、これらの局地気象について説明を試みた。笈破霧は、春から梅雨期を中心に、神岡市街地の北側の山々の山頂付近を覆う雲である。笈破霧は、寒気の前触れの雲とされる。実際、現地の気温観測データによると、笈破霧発生時に気温が低下する。また笈破霧発生日の天気図は、日本海上の気圧が高く、北寄りの一般風が進入するタイプである。みやざき雲は、晴天日の春秋を中心に、午後4時頃、神岡北部の漆山岳の山頂付近に現れる。みやざき雲発生日の天気図は、日本全体が広く高気圧に覆われるタイプである。みやざき雲発生日の漆山岳山頂の観測によると、午後4時頃、気温が大きく下降した。 
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