日本地理学会発表要旨集
2008年度日本地理学会秋季学術大会・2008年度東北地理学会秋季学術大会
セッションID: 604
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岩手県葛巻町における大規模酪農経営の成立
*前田 陽次郎
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抄録

 岩手県岩手郡葛巻町は、古くからの酪農地帯である。地形は急峻で土地条件には恵まれていないが、1970年代後半から行われた北上山系開発事業を契機に、草地が開かれ、酪農の大規模化が進んだ。
 この事業は、育成・採草・搾乳の各事業を別の機関が行う機能分担方式を中心に計画された。町内の酪農家は、新たに創設された葛巻町畜産開発公社に育成牛を預託することで搾乳に専念することができる。
 実際には現金支出をおさえるため預託する農家は少なく、当初計画のような草地型の酪農は形成されなかったが、購入飼料を利用した大規模化の道を進み、全国でも有数の集約的酪農地帯になった。 

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© 2008 公益社団法人 日本地理学会
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