抄録
1974年4月にコザ市と美里村が合併し沖縄市が誕生した。コザ市は、「基地の街」としても、また当時まで全国で唯一のカタカナの市名としてもよく知られていた。地名「コザ」の由来については、米軍の誤用により発生したものとして語られるが、その詳細については明らかではない。本報告では、最初に米軍作成の地図(AMS図)と米軍資料を用い、地名「コザ」の発生の状況を明確にする。次に、沖縄戦後の米軍、沖縄側行政担当者、一般住民における「コザ」をめぐる動きの中で、社会変動の表象としての地名「コザ」について考察していく。