日本地理学会発表要旨集
2009年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P925
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宮古島沿岸部の地形学的検討と宮古島断層帯の活動性の検討
*小俣 雅志市川 清士岩崎 孝明越後 智雄郡谷 順英河名 俊男村川 伸治柴田 剛
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抄録
本研究は文部科学省からの委託を受け,平成20年度活断層の追加補完調査のうち,宮古島断層帯の活動履歴調査として,宮古島断層帯の活動性を宮古島の完新世という最新時期に関連させて検討を行った。活動性を検討するにあたって,宮古島沿岸地形に着目し,全島にわたって発達するビーチロックの地形断面を計測するとともに,放射性炭素年代測定を行った.各地点で採取した試料の年代測定結果を表に示す.宮古島南岸および東岸ではおおよそ1,600cal.y.B.P.からビーチロックが形成されている地点が多いが,与那浜,新城および池間島の東岸である池間東は800cal.y.B.P.以降とやや新しい年代値を示す.北部西岸は間那津の4,000cal.y.B.P.狩俣と砂山は2,200cal.y.B.P.とほかの地点と比較して古い年代であることが判明した. 地形断面測量の結果と平良港潮位との関係を図に示す.ビーチロックの分布高度は現在の平良港潮位の潮間帯に位置する.これらのビーチロックは現在と同程度の海水準で形成され,その後現在に至るまで各地点とも海面と地形の位置関係が大きく変わっていないことが判明した.しかし,詳細にみてみると一部の最低点高度が他の地点と比較して0.5m程度低い.この高度差が地形変動を意味する優位なものであるものであるか否かは,ビーチロックの高度以外の指標も含めて,今後さらに検討する必要がある.
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© 2009 公益社団法人 日本地理学会
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