日本地理学会発表要旨集
2009年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: S206
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大地の遺産百選について
*岩田 修二
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抄録
 「大地の遺産」は,ジオサイト,geoheritage, Earth heritageと同列のことばである.複数,または単一の大地の遺産がジオパークを構成する.  「ジオパーク」に世界中の注目が集まっている.「ジオパーク」とは,「ジオ」という語で特定される,科学的にも美的にも価値が高い土地(範囲が決められた土地,すなわち園地・公園)であり,科学の普及,観光の振興などに貢献するものである.ところで,「ジオパーク」を構成する場所ジオサイトはジオヘリテージ(geoheritage)と呼ばれ日本では地質遺産と訳されることが多い.これに対して,最近,ユネスコはアースヘリテージ (Earth heritage) という語を使っている.これは「ジオパーク」に先行した「世界遺産」の,「歴史・文化も含む」という考え方を引き継いだからである.このような観点から「ジオパーク」の「ジオ」とは,自然環境と人間活動のすべてを含めた土地・地域の総体であり,ガイアともいわれる「大地」そのものを意味する.したがって,ジオヘリテージ,アースヘリテージは日本語では「大地の遺産」となる.  わが国でも世界ジオパークネットワークへの登録申請への動きが盛んである.そのような動きを支援し,真に価値あるジオサイトを発掘するためにも「大地の遺産」を選定することには意義がある.
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© 2009 公益社団法人 日本地理学会
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