日本地理学会発表要旨集
2011年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 316
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情報サービス関連企業の立地動向
東京大都市圏を中心として
*中澤 健史峰滝 和典
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抄録
 情報サービス産業はソフトウェア産業、情報処理産業、インターネット関連産業等から構成される。これらに属する企業(以下、情報サービス関連企業とする)が取り扱う財は主として情報財であるため、地理的に離れた場所にある企業間でも容易に取引できるという性質を持つ。このような性質から、企業が人件費やオフィス賃料などに制約されず、立地が分散するのではないかと考えられていた。しかし、実際には特定地域に情報サービス関連企業が集積している。地理学の分野のおいても、ソフトウェア産業が東京都などの大都市に顕著に集積していることは、いくつかの研究により明らかにされている(矢部 2005)。 筆者らも東京都において情報サービス関連企業が特定の鉄道駅周辺に集積していることや、立地が駅に近い企業ほど企業間取引が活発であることを明らかにしてきた(中澤・峰滝 2009)。しかし、2007年以降の世界金融危機をはじめとする不況などにより、日本の情報サービス産業も急速に変化している。企業数についても、2007年に全国で6,000社を超えていた情報サービス関連企業は、2010年には5,359社に減少している(シィ産業研究所編 2010)。 本報告では、東京大都市圏を事例として、まず収集した情報サービス関連企業の本社、支社の位置情報をもとに、GISを用いて分布状況を把握する。その上で、2007年のデータと比較し、立地にどのような変化が生じているかを明らかにする。その上で、情報サービス関連企業の集積や立地に変化をもたらした要因や近年の立地動向について分析する。
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© 2011 公益社団法人 日本地理学会
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