日本地理学会発表要旨集
2012年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: S1606
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発表要旨
エコミュージアムからみたジオパークへの不安と期待
*梶原 宏之
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抄録
近年,全国の自治体でジオパークへの期待が高まっている.2004年ユネスコの支援で始まった新しい制度は欧州を中心に世界へ広がり,日本では2008年初めての日本ジオパーク加盟地域が生まれ,さらに翌年世界ジオパークにまで進展したことで大きな期待が生まれた.最初の登録から4年しか経っていないものの2012年5月現在すでに日本ジオパークへ認定された地域は20,推進協議会を設立し準会員となった地域も16に増え,今後も増加しそうである.報告者自身もジオパーク推進協議会の一員であり,地理学徒として勿論こうした傾向を喜ばしいと感じている者だが,しかしジオパークよりすでに10年以上も前に日本で流行したエコミュージアムを経験した者から見ると,いささか疑念や不安も感じられる.それは近年における各自治体のジオパークへの盛り上がりがちょうど10年前のエコミュージアムのそれとそっくりだからである.残念ながら現在日本のエコミュージアムはかつてほどの盛隆はみられなくなってしまった.理由は様々あると思われるが,ここでジオパークはエコミュージアムの問題点を整理しておかないと,10年後また同じ轍を踏む可能性も出るだろう.そこで本発表ではエコミュージアムがかつて陥ってしまった問題点(特に学問的担保,リファレンス性,マネタイズ,拡張性,倫理哲学について)を整理し,そこからジオパークが注意すべき点や新しい期待について言及したい.
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© 2012 公益社団法人 日本地理学会
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