抄録
本発表では、東日本大震災の被災地、宮城県のいくつかの市町を事例に、津波による死亡率を市町村内の小地域(行政区、居住地ベース)ごとに把握し、その死亡率の地域的分布と「津波の遡上範囲」や「家屋の多くが流される被害を受けた範囲」(日本地理学会災害対応本部津波被災マップ作成チーム 2011)との関連性を分析することで、死亡率の高かったり低かったりする行政区がどこにどのように分布するか、とりわけ平野部とリアス部とで違いが見られるか、また、そうした死亡率の地域差は津波の挙動(浸水範囲や浸水高など)や集落の自然地理的条件、人口構造や都市機能などの社会的条件などとどのように関連するかを検討し、東日本大震災において、なぜ大きな人的被害が生じたか、今後どのような津波防災が必要とされるかということを議論しようと試みるものである。