日本地理学会発表要旨集
2012年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 606
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発表要旨
MD179航海で採取した上越沖海底コアの後期更新世テフラ層序
*仲村 祐哉須貝 俊彦石原 武志アントニオ フェルナンド フレイレ松本 良
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抄録
日本列島各地の地史を編む上で,火山の爆発的噴火によって瞬時かつ広域に拡散・分布するテフラは,重要な時間示標層となっている.本研究では,中国地方や中部地方の火山起源のテフラが堆積しているであろう上越沖を対象地とし,日本海における知見の少ない酸素同位体ステージ(MIS)4・5のテフラ層序を明らかにする.本研究では,新潟県上越沖で採取された9本のコアから見出した96枚のテフラについて,実体顕微鏡観察による重鉱物組成の記載,SEM-EDSによる火山ガラスの主成分化学分析を行い,同定を試みた.同定できなかったテフラに関しては,地すべりなどの擾乱が見つかっていないコアを用いて,噴出年代の推定されているテフラとの層位関係から,噴出年代を算出した.テフラの同定を行った結果,コアに介在する96枚のテフラから,9種類のテフラを同定することができた.噴出年代が新しいものから,As-K,AT,DKP,On-Ng,Aso-4,On-Kt,K-Tz,SK,Toyaである.一方で,同定できていないテフラが22種類存在する.これらの同定されたテフラは,MIS4・5における海陸の相互影響を明らかにするうえで,非常に重要なテフラである.
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© 2012 公益社団法人 日本地理学会
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