抄録
古気候復元や年代決定の上で、cross-dating法による年輪成長曲線作成が施されるが、その際、各地でのサンプルを使う必要性がある。さらには場合によっては樹種の違ったサンプルも参考にしなければならない。そういった場合に地域代表性の上ではたして地域間相関とか樹種間相関が有意であるかどうか検討することが必要である。ケッペンの気候区分が植生分布との相関性に基づいているということからも空間的スケールの検討が必要である。また、樹木年輪だけでは絶対年代の決定や古気候復元に関して信憑性があるかとか、年輪データーと複数の他の古気候資料との関連性・継続性についても考察してみた。