抄録
日本列島が受災期に陥り、一極集中に伴う歪は近年懸念される災害に対応できないことが顕在化してきた。東日本大震災時には東京湾岸等でも被害が生じた。減災の基本には開発域の地盤の形質や対応策の事前熟慮が有用となる。本稿では衛星画像、(1880年代作成)迅速測図、時空間分析等を用いて、都市的土地被覆の変貌を捉え、抽出した都市型開発パターンを国土被災ハザードと比較し、減災対策等を検討した。
関東内周圏における国土情報の時空間分析から、市街化は首都圏直下型(東京湾北部、茨城県南部)地震で被災が懸念される地盤の軟弱な湾岸、縁辺域へも進展すると思われる。新たに抽出された被災関連情報は既存のハザード等へ集約し、減災の視点による防災対策の中にシステム化し、国民の安全、避難しやすい街づくりに利用していくことが肝要である。