日本地理学会発表要旨集
2013年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 212
会議情報

発表要旨
アンサンブル予測実験結果と力学的ダウンスケールによるイネ葉いもち病2週間予測の試行
*大久保 さゆり菅野 洋光小林 隆福井 真岩崎 俊樹
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
農業において、病害発生の危険を早期に予測できれば、効率よく防除にあたることができる。本研究では、イネ葉いもち病発生予察モデル(BLASTAM)に2週間アンサンブル予測実験結果を適用し、2週間先の葉いもち病の予測計算の精度について検証した。アンサンブル予測実験結果を1.25度格子(約110km間隔)から5kmメッシュに力学的ダウンスケールした気象データをBLASTAMの入力値とし、葉いもち病の2週間先までの予測計算を行なった。実際のアメダス観測値によって計算したBLASTAMの結果との比較や、アンサンブル計算と再解析データとの気圧配置の比較から、葉いもち病の予測精度はアンサンブル予測自体の精度に依存することを確認できた。予測結果の相関場が実際と整合する場合には、力学的ダウンスケールを経たデータによる感染好適条件の分布も精度よく表現されていた。また、BLASTAMについては、アンサンブル平均値を用いるより、確率情報として示すほうが実用的であることがわかった。
著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top