日本地理学会発表要旨集
2013年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 214
会議情報

発表要旨
百里基地周辺における霧の気候学的特徴
*桑門 遼
著者情報
キーワード: , 関東平野, 気圧配置
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
1. はじめに濃霧の発生による視程障害は交通の運休や衝突事故などの陸上・海上の交通障害を引き起こす要因となっている(山本, 2000). 特に航空機は陸路・船舶よりも視程障害による影響が大きい. 霧は地域性が強いので, 個別に実態調査をする必要がある.2. 目的本研究では百里基地で観測されたデータや, ライブカメラのデータなどから, 百里基地周辺地域における霧の気候学的な特徴をまとめる.3. 使用データ・気象庁天気図・百里基地観測データ(気温・風速・雲高・卓越視程等)・アメダス・気象官署の1時間データ・筑波山観測データ・ライブカメラデータ・衛星画像(所得期間はライブカメラが2010~2011年分,他のデータは2005~2011年を使用した.)4. 手法2005年~2011年の期間において百里基地で霧が観測されたデータのうち, 3時間以上連続で観測されたデータを対象に, 霧発生日の気候学的特徴や発生時・消散時の気象要素を調査する. また, 前日21時から当日9時の地上天気図の気圧配置により霧の発生日を気圧配置型毎に分類し, それぞれの特徴的な気象場についてまとめる.2010年~2011年の霧発生日について, ライブカメラ, 気象アメダスのデータ, および衛星画像を用いて霧発生時の百里周辺の風の動きを確かめる. これらの結果から, 発生要因について考察する.5. 結果2005年~2011年の霧発生日を対象とした解析結果から, 霧は夜間に発生することが多く, 5~7頃に消散することが多いということがわかった. 霧発生時は弱い北風もしくは無風であることがわかった. その他発生前に降雨があった事例が多かった.気圧配置に着目して地上天気図を分類した結果, 全316事例のうち, 高気圧影響下の気圧配置164事例では晴天の事例が多く気温低下による霧の発生がみられたが, 低気圧影響下の気圧配置172事例では前線が接近してくるなど降雨を伴った事例が多かった.謝辞本研究は, 環境省の地球環境研究推進費(S-8)の支援により実施されました. また, 百里基地観測データは防衛大学の菅原広史先生にいただきました.
著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top