日本地理学会発表要旨集
2013年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 218
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発表要旨
江戸幕末期(1850-1860年代)における夏季の一時的高温化
*三上 岳彦平野 淳平財城 真寿美
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キーワード: 江戸幕末期, 気候変動, 夏季
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抄録

江戸幕末期の1850-1860年代は,小氷期の終了期に相当するが,日本では公式の気象観測記録が無いために気温変動の詳細は不明であった。一方,演者らの研究グループでは日記天候記録に基づく18世紀以降の気候復元や19世紀前中期の古気象観測記録の発掘とデータベース化を行っている。そうした一連の研究によって,江戸幕末期に相当する1850-1860年代の夏季気温が一時的にかなり高温化していたことが明らかになった。本研究の目的は、日本の小氷期末に出現した夏季の一時的高温化の実態を明らかにし、気象観測データの得られるヨーロッパや北アメリカにおける同年代の気温変動と比較しながら、高温化が半球的な大気循環場の変動とどのように関連していたのかを考察することである。

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© 2013 公益社団法人 日本地理学会
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