日本は環太平洋造山帯に属する火山活動の激しい列島である。火山が作り出す様々な自然環境が日本中で見られるなか、離島における水環境(特に火山島)は、島の標高、透水性のちがいから特徴的な水環境を示している。伊豆諸島のなかでも八丈島・御蔵島は淡水環境に恵まれており、そこでは雨水の影響を受けた水と、地下水の影響を受けた水の2種類を見ることができた。その他の淡水に恵まれていない島では、地下水の調査を中心に行い、海からの影響が大きい水と、地下水の影響が大きい水を見ることができた。未だに火山活動の盛んな伊豆大島・三宅島では一部の水にSO4が多く含まれるような特殊な水質を見ることができた。これらの淡水に恵まれていない島では、雨の時だけ現れると思われる枯れた沢を多数確認することができた。また、伊豆諸島の水環境に大きな影響を与えている要因は、人的影響よりも火山活動が終わり、島が現在の形になった年代の差であることが示唆された。