抄録
五島列島は、九州の最西端に位置し、長崎港から西に約100km、北東から南西約80kmにわたって中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島の五島を中心に大小140あまりの島々が連なる列島である。全島が長崎県に属し、人口は約7万人である。昭和時代には、東シナ海で操業する漁船団の先端基地として栄え、近年漁獲量は減少しているものの今も漁業が重要な産業で、海産物も名物となっている。また、西海国立公園に指定され豊かな自然環境と世界遺産登録を目指す境界群による観光で注目を集めながらも、島の水環境に関する研究は少ない。そこで、五島以外に、宇久島、小値賀島を加えた七島全域の水環境に関する調査を行い、離島の水環境として整理して、他の島々との比較を行う。今回は、2014年5月および8月の結果を踏まえた予察的な報告である。