主催: 公益社団法人 日本地理学会
本発表では、静岡県浜松市における84人のブラジル人に対する生活活動日誌を用いた調査により、ホスト社会におけるブラジル人住民と日本人住民との接点の特性を、「閉ざされた」「消費」「知悉可能性」というキーワードをもとに3点ほど紹介する。合わせて、就労や教育、統合の様態など生活場面ごとに考察されることが多かったエスニック集団のホスト社会における課題を、「ホスト社会におけるエスニック集団成員の一連の日常生活」という文脈上から検証し、エスニック集団とホスト社会住民との接点―「とき」や「ところ」をふまえつつ、エスニック・コンフリクトの生成要因となり得る事象やコンフリクト生成を防止する方策について報告していきたい。