日本地理学会発表要旨集
2014年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 625
会議情報

発表要旨
堤外の微地形解析の改善と意義
-「微地形と地理学」グループ発表①
*黒木 貴一
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
定性的な微地形区分とその分布解釈により,湿潤温暖地域におけるわが国の丘陵地や氾濫原の自然災害に関わる地形形成過程の検討が進んだ。その区分や分布は主に空中写真の判読から示されるが,空中写真等の実体視による地形図への手作業での移写には常に不確実性が伴う。今日,衛星画像や地形標高モデル(DEM)から詳細に地形が読み取れ,より正確な微地形区分も可能になった。ただ氾濫原の微地形分布図から災害予測される一方で,DEMによる氾濫シミュレーションでの災害予測もあり,微地形区分とDEMの融合活用はまだ少ないと感じる。また氾濫原に対する微地形区分では社会経済活動が行われる堤内の自然堤防,旧河道などが注目され,堤内より地形単位が小さく居住地もない堤外に関しては,植生との関連検討以外は微地形にあまり関心が払われて来なかった。そこで本発表では,最近3年間に実施した堤外の微地形分析の結果を基に,微地形をDEMにより区分する方法,区分結果を定量化する方法,自然災害との関連を提示しやすい表現方法と適用例を紹介する。
著者関連情報
© 2014 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top