日本地理学会発表要旨集
2014年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P073
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発表要旨
地理教育用AR(拡張現実)情報システム(3)
*堤 純鵜川 義弘福地 彩伊藤 悟秋本 弘章井田 仁康
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抄録

本ポスター発表は、今大会で同じ題目のもとにシリーズで行った2つの口頭発表と連動し、石川県金沢市の卯辰山麓寺院地区を対象に構築したARシステムについて、タブレット端末を用いた実物のデモンストレーションを行いながら、その機能と特長を紹介し、地理教育への応用の可能性を検討するものである(ポスター発表のコアタイムにデモンストレーションを実施予定)。
口頭発表において取り上げなかったいくつかの機能のうち、実際に野外での活動時に有効な機能の1つとして、ブログとの連携を挙げることができる。ブログと連携することにより、スマートフォンやタブレット端末のみならず、パソコンを含めた多様なデバイスから、各自のIT環境に左右されずに情報にアクセスできるため、教師や生徒が野外か屋内かを問わずに情報を閲覧できる上、様々な情報を書き込むこともできる。 今回は、全体を1つのブログとして、1寺院に1ブログ記事を対応させ、記事本体(図1)は教師が作成し、そのコメント(図2)は生徒が寄せるものと想定した。いずれも、テキストの書き込みとともに、画像の投稿もできる。本システムによる作業のフローは以下の①~④のようになる。
①ARにより端末画面に表示されたエアタグに着目→②AR内での当該寺院の説明文を(野外で)閲覧→③ブログ記事へジャンプ→④上記記事へのコメントを入力、閲覧
上記のフローのうち、④の行程として、教師が用意した情報を一方通行的に見せるだけでなく、ブログ上でコメントの投稿・返信を通じて情報を双方向にやりとりできる点も、地理教育上の効果が大きいと考えられる。 また、投稿されたコメントの掲載許可の権限を教員がもつことにより、ブログシステムへの投稿内容の管理が可能である。こうして掲載されたコメントはキーワードごとに、ブログの1つのタイムライン上に掲載されるため、閲覧や検索が容易である。これらのコメントが記載され、一般に公開されることは生徒の励みにもなり、地理教育上のメリットも期待できる。

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© 2014 公益社団法人 日本地理学会
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