抄録
手賀沼と印旛沼は汚い沼として全国的に有名な千葉県の北西部に位置する沼である。高度経済成長期の都市化に伴う両沼周辺地域の住宅地開発などによって流れ込んだ生活雑排水や、それによる沼の水の富栄養化にともなう植物プランクトンの異常増殖、農業排水によって汚濁がすすんだとされる。また、手賀沼と印旛沼の両沼は利根川が氾濫すると水が逆流し、周辺地域に洪水をもたらしていたため、江戸時代から干拓事業がすすめられてきた。本研究は、手賀沼と印旛沼の概要をつかむとともにその周辺の土地利用の変遷や水質汚濁問題について調査し考察することを目的とする。