抄録
2012年のロンドンオリンピックは,1980年代に開始されたイーストロンドンにおける都市再生の一環として位置づけられた。イギリスは1990年代以降,持続可能な開発の原理に基づき,全国的に,緑地を保護して荒廃した工業地域を再生するコンパクトシティを建設するための都市再生を行ってきた。この過程で,イギリスは,従来イーストロンドンの経済を牽引してきた製造業から,金融,商業・サービス,レジャーを主たる産業とする都市産業の再編を行った。すなわち,イギリスは脱工業化の時代にふさわしい産業に基づくまちづくりを行ったのであった。