抄録
電動マルチコプターは,小型化・低価格化と同時に,姿勢制御技術も向上し,UAV(Unmanned Aerial Vehicle)としてカメラやセンサーを搭載することで,低コストで近接リモートセンシングが実施できるようになった。また,SfM-MVS(Structure from Motion – Multi-View
Stereo)ソフトウェアを使用することで,複数枚の重なり合う画像からオルソ空中写真,DSM(Digital Surface Model)を簡単に作成することができるようになった。UAVやSfM-MVSを地理学の手法として活用することで,様々な課題に対応できるようになる。
本報告では,小型UAV(電動マルチコプター)およびSfM-MVS(Agisoft社PhotoScan Professional Ver.1.0)を実際に利用した,農業モニタリング,外来種モニタリング,放射能モニタリング,土地利用研究に関する事例を紹介する。UAV,SfM-MVSを地理学の手法として活用し,地理学が重視する地域の時間-空間認識の深化を目指す一過程として報告する。