主催: 公益社団法人 日本地理学会
近年,訪日外国人数が増加し続けており、訪日外国人旅行者の空間構造を把握することが重要視され、関連研究も蓄積されてきた。本研究はスマートフォンのAPPより取得したデータを用いて、滞在時間別の訪日旅行者の市町村間移動を分析し、移動ネットワークの構造を明らかにする。 本研究に使用するデータは調査協力者5,868人から,有効回答者5,010人を抽出したものである.3次メッシュのデータを市町村単位に集計する(東京23区は1つの単位にまとめる)。市町村間の移動をリンケージ(linkage)と見なし、リンケージごとに移動者数を集計し、各市町村の最大流入リンケージによって構築されたネットワークに基づいて、旅行者の市町村間移動ネットワークを考察する。 また、旅行者の行動パターンを考慮して、立ち寄りと短時間観光、長時間観光、滞在観光に合わせて、それぞれ市町村での滞在時間下限を3時間、6時間、12時間および宿泊と設定して、滞在時間による流動ネットワークの異同を考察する。