主催: 公益社団法人 日本地理学会
本研究では,スウェーデンを対象として環境技術政策による地域的な環境産業と雇用への影響を解明することを目的とした.この点を明らかにするため,パネルデータ分析を用いた.この分析で,固定効果モデルとランダム効果モデルを援用した後,Hausman検定により両モデルの優位性を検討した.Hausman検定の結果,固定効果モデルよりもランダム効果モデルが支持された.パネルデータ分析の結果、グリーン事業所数とグリーン雇用者数の双方でスウェーデン環境技術戦略と投票率の影響が認められた.くわえて一人あたりのGDPがグリーン雇用を増大させる要因のひとつであることも明らかにした.したがって地域的なグリーン成長に関して環境技術政策だけでなく,地域の経済状況や政治環境が影響を与えていたと考えられる.