主催: 公益社団法人 日本地理学会
天山山脈北部地域では,「短命氷河湖」と呼ばれるわずか1年から数ヶ月で出現・出水する氷河湖からの洪水被害が報告されている(Narama et al, 2010).氷河湖からの出水は,氷河前面の氷を含むデブリ帯に発達したアイストンネルを通って生じるが,アイストンネルの発達過程,位置,規模,開放・閉鎖などの実態はほとんど明らかでない.そこで本研究では,短命氷河湖を出現・出水させるアイストンネルの位置や大きさを把握するため,天山山脈北部地域において,アイストンネルが確認できる場所でGPR (Ground Penetrating Radar)の測量を実施した.また,雪渓の内部構造の反射特性も把握するため,白馬大雪渓でも調査を実施した.