日本地理学会発表要旨集
2017年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P017
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発表要旨
2014年June 27溶岩流によるPahoa周辺の詳細土地被覆変化分析
*後藤 健介黒田 圭介宗 建郎出口 将夫黒木 貴一磯 望
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抄録

1. はじめに
ハワイのキラウエア火山は、世界で最も活発な火山で、1983年以降継続的に噴火を繰り返している。2014年6月27日に始まったキラウエア火山のプウ・オオ火口から大規模に噴出された溶岩流は東の方角に流れ始め、かつて溶岩が到達したことのなかった林にまで流れ込みながら、牧草地、道路、墓地などを焼き払った後、2014年11月上旬Pahoa近くで停止した(図1参照)。 本研究では、この溶岩流によってどのように環境が変化したのかを把握するため、溶岩流噴出前後に観測された衛星データを用いて土地被覆の変化を詳細に調べた。
2. 研究手法
解析に用いた衛星データは、DigitalGlobe社の高解像度衛星WorldView-2で、2014年6月27日の溶岩流の噴出前のデータとして2014年3月5日観測のものを、噴出後のデータとして2016年3月8日観測のものを使用した。 なお、今回は分解能1.84mのマルチスペクトルバンド4バンド(青、緑、赤、近赤外)を用いた。対象地はPahoa周辺とし、衛星データから土地被覆分類図や植物活性(NDVI)、水分指標(NDWI)などの環境指標分布図などを作成し、標高データ等を用ながら、溶岩流噴出前後の環境変化を調べた。
3. おわりに
高解像度衛星データを用いることで、Pahoa周辺まで迫った溶岩流の分布を詳細に把握でき、この溶岩流による土地被覆変化への影響を知ることができた。植物活性に関しては、対象地全域の植物活性が噴出前と比べて低下傾向にあることが分かった。

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© 2017 公益社団法人 日本地理学会
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