抄録
本稿では新潟県で作成されている「新潟県移動調査」を利用し,1980~2015年における新潟県内20市の転出数・転入数の変化について,県内移動・県外移動に分けて分析を行った。分析にあたっては間接標準化の手法を適用し,新潟県内の各市における転出・転入のモビリティ変化や,移動数変化に対する人口構造の影響等を明らかにすることを試みた。その結果,県内移動に関しては転出・転入ともに人口構造要因が大きな影響を及ぼしており,県内各市の人口減少や高齢化が各市の移動数減少に直結していた。県内移動に限れば,県内の中心市である新潟市や長岡市などにおいて転入超過傾向を強めた反面,その他地域では軒並み転出超過傾向が高まっていた。一方県外移動に関しては,転出数の変化と転入数の変化で人口学的要因が異なり,転出数の減少には人口構造要因,転入数の減少にはモビリティ要因がそれぞれ大きな影響を及ぼしていた。とりわけ人口構造要因による転出数の減少率が高い市ほど,転入モビリティは低下している傾向が見受けられ,人口構造要因とモビリティ要因との間には関係があることが示唆された。